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プレスリリース


Everlight鑑定報告書の要約



台湾のEverlight社(Everlight Electronics Co., Ltd.)のLED製品(型番:99-215UWC/TR8 以下、鑑定対象物品という)が当社(日亜化学工業株式会社)の台湾意匠登録第089,036号(以下、036意匠権という)を侵害しているか否かについて、専門家に鑑定を依頼した結果、「侵害あり」という結論を得た。鑑定対象物品と036意匠権との比較は、主に「鑑定対象物品と036意匠権の物品とは同一又は近似するか」、「鑑定対象物品の視覚設計の全体が036意匠権と同一又は近似するか」、及び「鑑定対象物品が036意匠権の新規特徴を含むか」という手順で判断された。前記侵害鑑定報告書の主な内容を次に抄録する。

1. 鑑定対象物品と036意匠権の物品とは同一又は近似するか
鑑定対象物品と036意匠権の物品はいずれも発光ダイオードであるため、同一物品であることを間違いなく判断する。

2. 鑑定対象物品の視覚設計の全体が036意匠権と同一又は近似するか
全体的にみて、鑑定対象物品と036意匠権は、その本体(1)と本体(1')が近似しており,全体がいずれも概ね左右対称の設計となっており、本体がいずれも前後二段に分けられ、そのうち、前段(11)と(11')がいずれも概ね長方体となり、後段(12)と(12')がいずれも台形状となる。本体前段(11)と(11')の前面はいずれも窓(4)と(4')を有し、その幅は本体前段(11)と(11')の約三分の二を占め、本体前段(11)と(11')の底部の中央が突出され、台形(2)及び(2')が形成され、後段の中段はいずれも、両側から中央に向け斜めに凹んだ後、直線部を形成する形となっている。その両側は、いずれもプロポーション(proportion)とオリエンテーション(orientation)が同一のL字形の折り片体(3)と(3')を有する。したがって、二者の全体造形は、極めて近似していると言える。
鑑定対象物品と036意匠権の差異点は、全体に対してその割合が微小であり、視覚上の重大な変更を与えておらず、外周輪郭に対しても殆ど変化を与えていない。よって、これら局所的な修飾は形状全体にとって、外観全体が近似するという視覚的に訴える認定を変更する程のものとはなっていない。

3. 鑑定対象物品が036意匠権の新規特徴を含むか
造形全体が近似しているだけでは、鑑定対象物品が036意匠権の権利範囲に入ると判断することはできない。さらに、近似する部分が意匠権の新規特徴を運用するものであるかどうか、即ち、鑑定対象物品が036意匠権の全ての新規特徴を有するか否かをさらに判断しなければならない。新規特徴とは、(1)単なる機能的設計であってはならず、(2)既に従来技術に見られたものであってはならない。036意匠権の図面説明書の「創作特徴」の欄において、出願人が自ら認める新規特徴が記載されているが、依然として先行技術を調査することにより、036意匠権の新規特徴を特定しなければならない。

(1)036意匠権の機能的設計の部分
依頼人が提供した日本意匠の検索資料及び鑑定人が自ら検索した台湾意匠登録従来技術に基いて判断すると、これらの発光ダイオードの構成、即ち本体(1)又はL字状の折り片体(3)は、さまざまな設計がある。これにより判断すると、036意匠権の設計は、いずれも自由創作である。したがって、036意匠権の設計は、単なる功能的設計(purely functional design)の部分を含まない。敢えて機能的といえる部分は、窓(4)に入っており、樹脂で封止される発光ダイス(又はチップ)のみである。しかしながら、それは本体(1)の内部に隠されており(hidden)、外輪廓に関わることなく、不可視(invisible)な部分であるので、検討する必要がない。

(2)036意匠権の従来技術部分
部品について先行技術を検索した結果、本体(1)の前端の窓(4)の部分は、出願前の先行技術にすでに見られる。例えば、日本2000年7月4日公告の第1,077,515号意匠は類似の窓を有する。したがって、窓の部分は、単独で判断した場合、新規特徴から排除すべきである。
本体後段(12)の台形部分と斜めに凹んで形成される台形欠口(5)も、すでに従来技術に見られる。例えば、前記日本第1,077,515号意匠、1997年7月11日公告の日本第984,224号意匠、1997年10月15日公告の第984,224-1号類似意匠はすべて近似する特徴を示している。したがって、この部分の構成特徴は、単独で判断すると、新規特徴から排除すべきである。

(3)036意匠権の新規特徴部分
本体(1)と、両側から後方に向けて延伸するL字状の折り片体(3)とからなる全体構成については、それと同様又は近似する構成の従来技術を発見しなかったため、前記構成の造形要素(element)、プロポーション(proportion)とオリエンテーション(orientation)から構成される空間態様(aspect)は、全体的に新規特徴の一つとなる。それを鑑定対象物品と比較すると分かるように、両者のL字形の折り片体(3)と(3')は、単独で考えると、造形要素、プロポーション及びオリエンテーションに関していずれも非常に近似している。しかも本体(1)と(1')との両側の連結も同じである。敢えて差異点と言えるところは、L字形の折り片体(3')の垂直部分の外側の円弧形(10')修飾(modification)のみである。この微小な (minor)円弧形修飾は、肉眼で視認できない微細部分であるため、判断比較の範囲に入らない。仮に肉眼で視認できる部分であるとしても、鑑定対象物品のこの微小な(minor)円弧形修飾は、L字形の折り片体(3')が036意匠権の対応構成要件に近似する視覚効果(visual effect)に影響するまでには至らず、すなわち036意匠権のL字形の折り片体(3')の近似範囲(scope of similarity)から逸脱していない。

結論
以上をまとめると、鑑定対象物品は036意匠権の全体外観に近似し、かつ近似部分、即ち、L字形の折り片体(3')が036意匠権の新規特徴部分を運用(appropriate)しているため、036意匠権の登録範囲内に入る。



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